IELTSってどんな試験なの?色々な種類があるけどどんな違いがあるの?
そんな方に向けの記事です!
本記事を読むことで下記の3点が分かるようになります。
- 他の試験と比較した時のIELTSの特徴について
- IELTSのアカデミックとジェネラルトレーニングの違いについて
- UKVIはどんな人が受験するべきなのかについて
結論にはなりますが、本記事の内容を簡単にまとめた表を紹介します
下記は他の試験と比べたときのIELTSの特徴です。
IELTS | TOEIC (L&R) | TOEFL (iBT) | |
---|---|---|---|
主な目的 | 留学・ビザ申請 | 日本での就職 | 留学・ビザ申請 |
試験内容 | 4技能(L・R・W・S) | 2技能(L・R) | 4技能(L・R・W・S) |
試験時間 | 2時間45分 | 2時間 | 2時間 |
点数幅 | 0~9.0(0.5点刻み) | 10~990(5点刻み) | 0~120(1点刻み) |
使用される英語 | 英 | 英・米・加・豪 | 米がメイン |
受験費用(2024年時点) | 27,500円 | 7,810円 | 36,750円 |
また、IELTSはアカデミックとジェネラル・トレーニングという2種類に分かれています。
その2種類の試験の特徴を下記に示します
アカデミック | ジェネラル・トレーニング | |
---|---|---|
主な目的 | 大学・大学院の入学用 | 英語圏での仕事・移住用 |
難易度 | 難しい | 易しい |
スコア | 得点率低くても高スコア取得可 | 得点率高くないと高スコア取得難 |
試験内容 | 学術的 | 日常的 |
具体的な受験ケース | ・海外大学(院)に留学する場合 ・AOや推薦入試でIELTSを使って日本の大学に出願する場合 ・イギリスの学生ビザを申請する場合 | ・英語圏での就労・職業訓練をする場合 ・英語圏の国へ移住する場合 |
では順番に詳しく解説します!
IELTSの基本情報1
そもそも、IELTSってなんなの?
IELTSは留学や移住に使用出来る4技能のイギリス発祥の英語試験です。
イギリス発祥の英語試験のIELTSに対して、アメリカ発祥の英語試験でTOEFLがあります。
少し前までは、IELTSはアメリカの大学には使用出来ず、IELTSはイギリスの大学には使用出来ないことがありました。現在はIELTSもTOEFLも国問わず使用出来る場合がほとんどです。
試験時間
試験時間は有名な英語試験の中で最長の2時間45分となっています。
内訳は以下の通りとなっています。
リスニング | リーディング | ライティング | スピーキング | |
---|---|---|---|---|
試験時間 | 30分 | 60分 | 60分 | 11~14分 |
問題数 | 40問 | 40問 | 2問 | 3 Parts |
形式 | 記述/選択問題 | 450~490記述/選択問題 | エッセイ | 面接官と1on1の対面形式 |
それぞれの試験の間は私語厳禁で、約5分程度の次の試験の準備時間があります。
スピーキング試験が当日の場合はライティング試験後に1~3時間程度立ってから行われます。
私はリスニング、リーディング、ライティングは午前、スピーキングのみ午後に行われました。
スコア
IELTSのスコアは0.5点刻みで各4技能のスコアとその平均点のOverallで計測されます。
入学する大学によって各技能の要件が指定されている場合もありますが、基本的にはオーバーオールが最も重要です。
例えば以下の場合を想定しましょう。
リスニング | リーディング | ライティング | スピーキング | オーバーオール | |
---|---|---|---|---|---|
スコア | 6.5 | 6.0 | 5.5 | 6.0 | 6.0 |
この場合は
6.5+6.0+5.5+6.0=24.0
となり、
24.0÷4技能=6.0 がオーバーオールのスコアになります。
なお、以下のような4で割り切れない場合は0.5刻みの近いスコアがオーバーオールになります。
リスニング | リーディング | ライティング | スピーキング | オーバーオール | |
---|---|---|---|---|---|
スコア | 6.0 | 6.0 | 5.5 | 5.5 | 6.0 |
小数点第二位を四捨五入するため、
6.0+6.0+5.5+5.5=23.0
23.0÷4技能=5.75→6.0 がオーバーオールのスコアになります。
他の試験と比較したIELTSの特徴
はじめに他の試験と比較した際のIELTSの特徴を見ていきましょう。
IELTS | TOEIC (L&R) | TOEFL (iBT) | |
---|---|---|---|
主な目的 | 留学・ビザ申請 | 日本での就職 | 留学・ビザ申請 |
試験内容 | 4技能(L・R・W・S) | 2技能(L・R) | 4技能(L・R・W・S) |
試験時間 | 2時間45分 | 2時間 | 2時間 |
点数幅 | 0~9.0(0.5点刻み) | 10~990(5点刻み) | 0~120(1点刻み) |
使用される英語 | 英 | 英・米・加・豪 | 米がメイン |
受験費用(2024年時点) | 27,500円 | 7,810円 | 36,750円 |
ビザとは…海外に滞在するために必要な入国許可証。入手のためにはその国の公用語力等が試される。
日本のパスポートは強いので、一定期間(国によって30日,90日,270日等の滞在)はビザ免除の国が多い。
イギリスでは6ヶ月以上の滞在の場合ビザが必要です。
また、有名大学の入学要件で英語力を必要とする場合も多いです。
IELTSがあれば英語力証明として使用でき、ビザも入学要件も両方満たすことが可能です。
ビザ要件・入学要件の両方満たすことの出来る点が人気の理由!
日本で最も有名な試験であるTOEICと比較して受験費用が高額です。
しかし、IELTSとTOEFLは海外のビザ申請や大学(院)への公式な英語能力証明として使用できます。
世界でも認められている試験であるため、非常に権威性も高いです。
他の試験との換算得点について
初めての英語試験がIELTSという方は少ないと思いますので、他の試験との難易度について、説明します。
IELTS、英検、TOEIC、TOEFL(iBT)の4つの試験と比較した得点表です。
IELTS、英検、TOEICを受験しましたがこの得点表は大体当たっています
社会の評価 | IELTS | TOEIC | 英検 | TOEFL(iBT) |
---|---|---|---|---|
神 | 9.0 | 990 | 1級 | 120 |
8.5 | 115~119 | |||
8.0 | 110~114 | |||
日本人の限界 | 7.5 | 970~990 | 102~109 | |
努力家 | 7.0 | 870~970 | 94~101 | |
6.5 | 820~870 | 79~93 | ||
6.0 | 740~820 | 準1級 | 60~78 | |
普通 | 5.5 | 600~740 | 46~59 | |
5.0 | 550~600 | 2級 | 35~45 | |
英語苦手 | 4.5 | 500~550 | 32~34 | |
4.0 | 450~490 | 準2級 | 31 |
高校生までであれば、勉強時間も少ないため、社会の評価は気にしなくて良いです。
ここからどんどん勉強すればするほど伸びていきます。
大学生以上の方は参考にしてみてください。
一方で、換算得点を鵜吞みにして以下のようなケースも発生しやすいです。
TOEICだとよい点が取れたのに、なんでIELTSだと低い点数なの…
TOEICを取得して、IELTSを受験すると想像以上にスコアが低くてがっくりしたという話をよく聞きます。
その理由を説明していきます。
TOEICの換算得点が正しくない理由
TOEICの換算得点が正しくない最大の理由は
スピーキングとライティングの能力が養えていない
からです。
例えば、TOEIC900点の人がIELTSや英検を受験した場合、下記のように換算得点上はIELTSで7.0で英検も1級に受かるレベルです。
IELTS | TOEIC | 英検 | TOEFL(iBT) |
---|---|---|---|
7.0 | 870~970 | 1級 | 94~101 |
6.5 | 820~870 | 79~93 |
しかし、その実力はリーディングとリスニングに限ったものです。
TOEICで900点が取れる方はIELTSで相性の違いはありますが、「リーディング」と「リスニング」は7.0が取得できるはずです。
そのため、平均スコアで計算されるオーバーオールは換算得点上は7.0なのに6.5あたりに落ち着くことが予想されます。
TOEIC900点超えてから10か月以上オンライン英会話をして英検1級・IELTS7.0取得しました…
IELTSではオンライン英会話やライティング添削サービスを使用して、スコアを上げる必要があります。
具体的なスピーキングとライティングのスコアを上げるの記事は下記にありますので、ぜひ見てみてください!
アカデミックとジェネラルトレーニングの違い
IELTSには「アカデミック」と「ジェネラル・トレーニング」の2種類の試験があります。
受験の申込時にどちらの試験を受験するか選択する必要があります。
アカデミックとジェネラルトレーニングの違いをまとめた表は以下の通りです。
アカデミック | ジェネラル・トレーニング | |
---|---|---|
主な目的 | 大学・大学院の入学用 | 英語圏での仕事・移住用 |
難易度 | 難しい | 易しい |
スコア | 得点率低くても高スコア取得可 | 得点率高くないと高スコア取得難 |
試験内容 | 学術的 | 日常的 |
具体的な受験ケース | ・海外大学(院)に留学する場合 ・AOや推薦入試でIELTSを使って日本の大学に出願する場合 ・イギリスの学生ビザを申請する場合 | ・英語圏での就労・職業訓練をする場合 ・英語圏の国へ移住する場合 |
重要な点をピックアップして解説します。
どちらを受験するべきか
どちらの種類のIELTSを受験するかの基準は以下の通りです。
大学や大学院が目的なら「アカデミック」それ以外は「ジェネラル・トレーニング」です。
大学や職業訓練校の募集要項には詳細な記載があるため、受験前にチェックはしておいて下さいね!
また、下記に受験者のそれぞれのモジュールを受験した人の割合を示します。
アカデミック | ジェネラル・トレーニング |
---|---|
80.3% | 19.7% |
このことから、ほとんどの方がアカデミックで受験をしています。
そのため、特殊な事情では無い限りはアカデミックの受験が大半でしょう。
試験内容の違い
アカデミックとジェネラル・トレーニングの最大の違いは試験内容が異なる点です。
試験内容が異なるセクションは2技能で「リーディング」と「ライティング」です。
(スピーキングとリスニングは全く同じ)
リーディング
リーディングは以下の点がポイントです。
アカデミックは難しいが、低い得点率でも高スコアになる。
ジェネラル・トレーニングは簡単だが、高い得点率が高スコアには必要。
実際に得点数とスコアの関係を見ていきましょう。
なお、リーディングの満点は40問になります。
オーバーオールスコア | アカデミック | ジェネラル・トレーニング |
---|---|---|
5.0 | 15問 | 23問 |
6.0 | 23問 | 30問 |
7.0 | 30問 | 34問 |
8.0 | 35問 | 38問 |
同じスコアでも得点数は全く異なることがこの表から分かると思います。
8.0のリーディングスコアを取得するためにはジェネラル・トレーニングでは95%の得点率が必要です。
ライティング
ライティングはPart1とPart2の2題問題が出題されます。
アカデミックとジェネラル・トレーニングでPart1の内容が異なります。
(Part2はモジュール毎の違いはありません)
Part1の違いは以下の通りです。
アカデミックは図や表、グラフの説明
ジェネラル・トレーニングはビジネスや日常に関するEメール作成
具体的なアカデミックのライティングPart1の問題は以下の通りです。
The chart below shows the number of men and women in further education in
Britain in three periods and whether they were studying fulltime or part-time.
Summarise the information by selecting and reporting the main features, and
make comparisons where relevant.<以下日本語訳>
https://ieltsjp.com/japan/prepare/article-academic-writing-free-practice-questions
下のグラフは、英国の3つの期間における高等教育の男女別受講者数と、フルタイムかパートタイムかを示したものである。情報を要約し、主な特徴を選んで、関連する場合は比較しなさい。
このように表の描写や説明をする形式となっています。
対策本が多いため、型を覚えて勉強することで対策をすることが可能です。
一方でジェネラル・トレーニングのライティングPart1の問題は以下の通りです。
You live in a room in college which you share with another student.
However, there are many problems with this arrangement and you find it
very difficult to work.
Write a letter to the accommodation officer at the college. In the letter,
- describe the situation
- explain your problems and why it is difficult to work
- say what kind of accommodation you would prefer
<以下日本語訳>
あなたは大学寮でシェアハウスをしています。
しかし、様々な理由で勉強に集中することが困難です。
寮職員にメールを送りなさい。なお、以下の内容を記載することhttps://ieltsjp.com/japan/prepare/article-free-general-training-writing-practice-question
- 状況説明
- 勉強に集中することが困難である理由とどんな問題が発生しているか
- どのような対応を取ってほしいか
かなり回答に自由度が高いですよね。。。
自分なりに想像力を働かせてメールを書く必要があります。
なお、ジェネラル・トレーニングが非常に勉強しにくい理由としては、対策本がほとんどないことです。
8割以上の方がアカデミックを受験するため、市場が非常に狭いのが原因ですね。。。
勉強方法としてはIELTSの公式が作成している「IELTS Ready」を使用することがおすすめです。
UKVIとは
IELTS for UKVI Academic/IELTS for UKVI General Training とは何ですか?
UKVIとは UK Visas and Immigration の略であり、イギリスのビザ申請用のテストになります。
一般的なIELTSの申し込み画面では以下のようになっており、アカデミックかジェネラルの表記のみです。
https://ieltsregistration.britishcouncil.org/
一方で、ビザ申請用の場合は以下のように「for UKVI」という表記が入ります。
受験後のスコアシートがビザ申請用で返却されます。
https://ieltsregistration.britishcouncil.org/ukvi
注意点は受験費用ががビザ申請用の方が高くなる点です。
通常のIETLTSは27,500円ですが、UKVI版は31,500円となっています。(時期や場所によっても差はあり)
受験前にはビザの申請を行う必要があるかどうかを確認しておきましょう。
以下のボタンからそれぞれのIELTSの申し込みサイトに飛ぶことが出来ます。
是非申し込んでみてください!
まとめ
いかがだったでしょうか。
IELTSは海外留学や移住への第一歩となる試験です。
ぜひ、自分の目標をクリアするために、まずは目の前の勉強に注力しましょう!
IELTSの具体的な勉強法は下記の記事を参考にしてくださいね!
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